ネイルサロンを開業する時に重要なのが、立地条件です。
一度開業した立地を変更するには多くのお金が必要となりますので、ネイルの需要があるのか、ライバル店が近くにあるのかなど、様々な点についてチェックする必要があります。
そして、失敗をした場合は廃業に追い込まれる可能性も高くなります。
ネイルサロンが廃業する大きな原因のひとつといえるので、立地選びは慎重にしましょう。
ここでは、ネイルサロンの開業に向けた立地の選び方についてご紹介します。
客層(ターゲット)によって異なる立地条件
ネイルサロンの立地選びとして、第一条件となるのが『どのような方をお客様にするのか?』ということです。
お客様の層に合わせて出店地域や店舗内装、価格帯、サービス内容などの戦略も変わってきます。
OLをターゲットにする場合
昼間にお勤めをしているOLをターゲットにする場合は、オフィス街の近くや駅前、ショッピングモールなどが理想です。
ただし、オフィス街では土日の集客が望めません。
また、午前中の来客も少ないことが予想されるため、平日の夕方以降の短時間で稼ぐことになります。
OLの行動範囲は、自宅・会社間と狭い方が多いので、わざわざ遠くまで足を運ばない可能性が高いです。比較的オフィス街からアクセスの良い場所を探しましょう。
主婦をターゲットにする場合
専業主婦やパート勤めの主婦などをターゲットにする場合は、落ち着いた場所が理想です。
行動範囲があまり広くないため、住宅地から徒歩圏内の場所やスーパーの付近に出店すると、買い物帰りの主婦が足を運べるようになります。
繁華街にわざわざ出て行く方も少ないので、普段着でも行ける自宅近くや、買い物のついでに立ち寄れる場所がおすすめです。
若い女性をターゲットにする場合
キャバクラ嬢のようなネイルが欠かせない夜の接客業の方、比較的時間に余裕のある大学生などの若い女性をターゲットにする場合は、人がたくさん集まる繁華街がお勧めです。
ネイルをした後にそのまま遊びに行ったり、仕事に行ったりといった方も取り込むことができます。
高校生や大学生ですと、繁華街と言っても渋谷や表参道といった、オシャレな町にあることが重要です。
彼女たちにとっては「オシャレなところでネイルした」というステータスが大事になるため、欲求を満たせる場所を狙って開業しましょう。
出店はターゲットよりも駅近が良い理由
ネイルサロンを開業する方のほとんどの方が顧客層を意識せずに開業をします。
そのため、店舗内装や立地やサービス内容のアンバランスな店舗が出来てしまい、一貫性が取れずに廃業をしていきます。
ですので、開業前にある程度のターゲット層を考えておくことが大切ですが、ターゲットに絞りすぎても失敗する確率が高まります。
それは開業をしてみてから、開業前には想像していなかったターゲットが来店されることも多々あるからです。
繁盛ネイルサロンを経営するためには、そうした層に合わせて臨機応変に対応をすることが望ましいのですが、ターゲットを絞りすぎて立地選定をしてしまうと、取り返しのつかない失敗につながります。
店舗内装やサービス内容などは後から修正が可能ですが、立地を変更することはできません。
ですので、当サイトでお勧めしている立地としては、ある程度の乗者人数のある駅の近く(徒歩10分圏内)と考えています。
駅の近くであれば、開業後にも臨機応変に対応しやすいです。
出店地域を徹底的にリサーチする
基本的にネイルサロンを出店する際は、土地勘のある地域を選択しましょう。
土地勘のない場所での出店は、信頼のおける不動産屋さんの紹介でない限り控えたほうが良いです。
ここからの記事は、ある程度の出店場所が決まった際にリサーチをするべき内容になっています。
出店する最寄り駅の乗者人数を調べる
乗者人数とは、どれくらいの人がその駅を利用しているのかという数字です。
人数が多ければ多いほど、お客様になりうる方が沢山いるということでもあります。
例えば、どのくらいの売上を目指すサロンにするかという目標次第でもありますが、スタッフを3~4人ほど雇ったネイルサロンを経営するのであれば、乗車人数は最低でも3万人以上は必要です。
>JR各駅の乗車人数を調べる(JR東日本 公式サイトに移動します)
>メトロ各駅の乗車人数を調べる(東京メトロ 公式サイトに移動します)
立地選定において乗車人数を調べることは必須ですが、乗車人数が多ければ繁盛ネイルサロンが開業できるとは限りません。
競合ライバル店舗を調べる
例えば、当社が運営している広尾駅は乗車数が6万人ですが、隣駅の恵比寿駅の乗車数は1日27万人となっており、乗車数だけで言えば恵比寿駅に出店する方が繁盛ネイルサロンを運営しやすいと考えられます。
しかし、ホットペッパービューティーに登録をしている店舗数は、広尾が11店舗に対して恵比寿は109店舗が登録されています。(2019年9月現在)
つまり、広尾駅に比べて恵比寿駅は乗車数が4.5倍に対してネイルサロン数は9.9倍といったネイルサロン激戦区だということが言えます。
このようなネイルサロン激戦区で出店をするには、それなりの覚悟と資本(お金)が必要となります。
最寄り駅名 | 乗車数 | ネイルサロン登録数 |
広尾駅 | 6万人 | 11店舗 |
恵比寿駅 | 27万人 | 109店舗 |
このデータから1日当たりの乗車人数の半分を女性と想定して広尾駅と近隣の恵比寿駅を比較すると…
広尾駅 1日当たりの乗車人数3万人 ÷ 掲載店舗数11店舗=1日当たりにアプローチできる顧客数 2,720人
恵比寿駅 1日当たりの乗車人数13.5万人 ÷ 掲載店舗数109店舗=1日当たりにアプローチできる顧客数 1,230人
広尾駅の方が、1日当たりのアプローチできる顧客数が多いということになりサロンの立地として優れていると言えます
出店する最寄り駅からの距離
目当ての物件が駅からどれくらいの距離にあるのかも非常に大切です。
あなたがお客様の立場になってみて、「徒歩10分以上のサロンを選びたいと思いますか?」
ワザワザ10分以上もかけた不便なネイルサロンに通うことは中々難しいと思いますので、駅から5分以内くらいで探すようにしましょう。
また、サロンオーナーが見落としてしまうのが、求人広告を出すにあたって、徒歩10分以上のサロンは応募率が極端に下がってしまうということです。
あなたが求人を探していて応募したいサロンがあっても徒歩10分以上毎日の通勤を考えると、きっと応募を見送るはずです。
立地選びって本当に大切なんですね。
周辺のネイルサロンを調査する
開業する場所をある程度絞ったら、同じ商圏内にある『ライバル店』になりそうなネイルサロンを調査します。
『ネイルサロンを利用している人が1日にどれくらいいるのか?』
『ライバルのネイルサロンの客層や経営年数』
上記2つを中心に調査をしましょう。
ネイルの需要がある場所には、既にネイルサロンが開業されていることがほとんどです。
という事は、立地条件を選ぶ際には、既に開業しているネイルサロンの店舗位置を調査して参考にするのが最短の方法です。
ある程度サロン数があるということは、そのエリアにネイルをしたい需要があるからネイルサロンがあるということ。
お客様が来るからネイルサロンが潰れずにやっていける立地だということです。
次は、『ホットペッパービューティー』や他の予約サイトで、そのエリアに存在するサロンの予約状況を調べることができます。
もし、ほとんど予約が埋まっていないサロンが多いのであれば、その地域での開業は難しいかもしれません。顧客数よりもサロン数が多いからです。
予約がなかなか取れないお店が多いのであれば、顧客数がサロン数より多いので、顧客を獲得する確率が大きいということです。
インターネットで調べるだけでなく、しっかりとライバル店になりそうなネイルサロンに数回足を運び、接客サービスの質、ネイルの施術料金の価格帯などを入念に調査することをオススメします。
ライバル店になりそうなネイルサロンよりも、質の良い接客サービスができるように、そして、ライバル店になりそうなネイルサロンよりも安い料金でメニュー表を作ったりすることで、オープン後の集客に大きな影響を及ぼします。
※開業当初は初回価格を下げて集客しても、その後、サービスの質が高い(差別化できている)のであれば、むやみに価格を下げる必要はありませんのでご注意ください。
まとめ
ここまでお読み頂きありがとうございました。
繁盛ネイルサロン開業のための立地選びの基本がおわかりいただけたかと思います。
そして、気になる立地が2~3か所ほどできたら、不動産屋さんに足を運ぶと良いです。
不動産屋さんでは様々な情報を持っているので、しっかりと話を聞きましょう。
そして、時間がある際は、1日その町の主要交差点で平日・休日分けて張り込み『人間ウォッチング』をすると良いです。
女性がどれくらいの比率で歩いてるか?
職業や家族や独身かどうか?
ネイルをしている人がどれだけいるのか?
更に、競合店のネイルサロンを1件1件チェックをして、できればネイルの施術を受けたほうが良いですが、難しいのであれば歩いて外観だけでも見ていきましょう。
また、近隣店舗の飲食店にも通って活きた情報をもらうことも有効です。