どれだけ技術力・サービス力が高くても、新規顧客がいなければネイルサロンは衰退の一途をたどります。
開業間もないネイルサロンが3年以内に廃業していく理由も集客が出来ていないことが原因です。
集客に関しては数多くの手法がありますが、地域産業(ローカルビジネス)であるネイルサロンではポスティングはかなり効率的に集客をすることができる手法のひとつです。
この記事ではポスティングの基本と効果的に集客できるポスティングのコツについてお話をしていきます。
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ポスティングとは?新聞折込との違い
まず、ポスティングという言葉はよく耳にしますが、近隣住宅のポストへチラシなどの販促物を直接投函することを指します。
よく混同されている新聞折込とは異なり、新聞を取っていない住宅へも投函をすることができます。
逆に新聞折込では投函が不可能な住宅にも直接届けることができますが、昨今では新聞を取っていない住宅も多いため、当サイトではポスティングをお勧めしています。
※ターゲットが中間層~富裕層の主婦の場合は新聞折込も視野に入れても良いです。
ポスティングのメリットとデメリット
ネイルサロンを開業している(これからする)のであれば、確実にポスティングをすることをお勧めしますが、ポスティングのメリットとデメリットも把握しておきましょう。
ポスティングのメリットとして挙げられるのは、以下の4点です。
- 認知率が高い
- 限定的なアプローチが可能
- 商圏性を知ることができる
- 継続的なアプローチができる
一方で、ポスティングのデメリットとしては…
- 1000枚配布して3件集客できればいい
- デザインが良くなければ集客はゼロ
- 1回で効果が表れずらい
- ある程度のまとまった資金が必要
以下、詳しく解説をしていきます。
認知率が高い
ポスティングされたチラシは必ず受取人の目に入ります。
ポストを空けた人は必ず捨てるか捨てないかという判断をするわけです。
看板やWEB広告とは異なり、見逃してしまうということはなく、一度は見込み客の目にとどめることができるということです。
ポイント
効果的なポスティングというのは、一度手に取られたチラシを捨てられない(読んでもらう)ようにすることだといえます。
限定的なアプローチが可能
ポスティングの効果的な使い方として、限定的なアプローチも可能です。
たとえば、主婦がターゲットのユーザーであれば、『ファミリー層』、OLがターゲットであれば『女性の多い独身地域』といった形でターゲットを絞って配布することも可能です。
もちろん、地域ごとに配布することも可能なため、効果をチェックすることで反応のよい地域を見つけ出すことも可能になります。
商圏性を知ることができる
メリット2でもお話をしましたが、ポスティングをすることで地域性を見出すこともできますが、更に自分の足でポスティングをした場合、周辺エリアの雰囲気を直接知ることができます。
配布するチラシに地域情報なども入れたりすることで、見込み客との親近感がわきお客様になる可能性も高まります。
また、見込み客のいそうな飲食店などには、通うことによってチラシを置いてくれる可能性もありますので、日ごろから歩いて街を知ることも大切ですね。
継続的なアプローチができる
長期的にポスティングをすることで、見込み客への認知度の向上につながります。
最初は捨てられていたチラシでも、回を重ねることによって認知度が向上し、自店舗に興味を持ってくれる可能性が高まります。
そして、継続的にポスティングをしていくことで、反応が出やすい地域と出にくい地域が分かってくるため、より精度の高い宣伝ができるようになります。
それでは次にデメリットについて詳しく話していきます。
1000枚配布して1件集客できればいい?
まず、一般的な感覚からですと、ポスティングに限らず集客の手法をすれば、たくさんのお客様がやって来ると思われがちですが、実際には集客できない人数の方が圧倒的に多いです。
ポスティングに関して言えば、1000枚配布をして1件の集客・問い合わせがくるかどうか。
3件も集客・問い合わせが来ればかなり良いほうです。
ですので、30人の新規顧客の獲得をしたいのであれば、反応の良いチラシで10000枚ポスティングする必要があります。
一見すると反応が悪いのでは?と思われがちですが、1人の顧客を増やすことができれば、客単価が5,000円であれば1年間で60,000円の売上を見込めます。
客単価5,000円×12ヶ月=60,000円
30人の新規顧客ができれば…
客単価5,000円×12ヶ月×30人=180万円
といった概算が成り立つので、ポスティングが成功すれば非常に効果的だとおわかりいただけるかと思います。
180万円を稼ぐために、どれくらいの広告費を書けることができるかがポイントになります。
また、大量印刷をする場合は業者に依頼をしましょう。個人のプリンターなどでの印刷では素人っぽさが出てしまい、逆にブランディングを損ねてしまう結果につながりかねません。
デザインが良くなければ集客はゼロ
すでにお話をしたように、ポスティングの反応率は1000人に1人~3人です。
そのため、下手なポスティングをすると反応はゼロ…つまりゼロ人集客となってしまいます。
また、デザインが良くなければ、店舗のブランディングを落とすことにもつながるのでご注意ください。
1回で効果が表れずらい
ほとんどの広告でも同じですが、良いチラシであれば1回のポスティングよりも2回、3回と回を重ねたほうが集客率は上がります。
逆に言えば1回のポスティングでは効果が薄いということです。
これは見込み客への認知度が高まっていくためによります。
一回目ではサッと捨てられてしまったチラシでも、2回目、3回目になるにつれて、「このチラシは何なんだろう?」といった形で見込み客に刷り込まれていきます。
1回のポスティングで失敗だなと思っても、諦めずに2回、3回と効果を試してみることをお勧めします。
ある程度のまとまった資金が必要
WEBのSNS集客などと異なり、ポスティングにはある程度の予算(資金)が必要となります。
ポスティングに必要な費用というと…
- チラシのデザイン代
- チラシの印刷代
- ポスティング業者への依頼
印刷以外はご自身で行うことも可能ですが、プロに頼むことでサロン運営に集中することもできるということも頭の隅に入れておきましょう。
効果的な集客にはデザインが最重要!
効果的なポスティングには見込み客に手を止めて持ってもらう(読んでもらう)必要があります。
そのためチラシのデザイン(文章など)が最重要になります。
ポスティングで効果的に集客をするために、ポスティングの目的について再確認をしましょう。
あなたのサロンがポスティングをする目的とは?
多くの場合、ポスティングは売上アップを目的に行われます。
ですので『目的は売上アップ』と言いたいところですが、そこで思考を停止させないでください。
売上アップは、どうやって達成しようとしているのでしょうか?
- 新規顧客の開拓
- 既存客の客単価UP
- リピーターを増やす
ポスティングの目的は様々です。
そして、どれを選択するかによって、配布物や配布先、広告の内容が変化してきます。
目的に合わせた広告のデザイン(文章)を作りましょう。
捨てられないデザインが成功のカギ
投函されたチラシは必ず手に取られるポスティングですが、見た瞬間に何のチラシなのかがわからなければ捨てられる可能性が高くなります。
ほとんどの方は、よくわからないチラシをワザワザ手に取り理解することはありません。
一目見て何の広告なのか理解できる・興味をひく工夫にする必要があります。
投函された状態を意識する
多くのポスティング広告は、折りたたまれた状態で投函されます。
そのため、わざわざ開かなくても、『何のチラシなのか?』『読むことによってどういうメリットがあるのか?』一瞬で理解できるようにする必要があります。
投函される形に折ると文字や絵が途切れてしまうデザインは控えるようにしましょう。
上級者になると、好奇心をあおるためにワザと途切れさせることもありますが、初心者の内はやめた方が良いです。
二つ折りなら二つ折りで、三つ折りなら三つ折りで成立するようデザインするべきです。
一目でわかるチラシをつくる
相手の興味をひくことができれば、チラシを手に取ってもらえます。
『コレはいったい何なんだろう?』と気にしてもらえるような、相手の好奇心を刺激する工夫をすると良いです。
デザインだけではなく、キャッチコピーにこだわることも効果的ですし、紙の厚みや種類、形などで他との差別化を図ることも効果的です。
パッと見て普通のチラシと違うポイントがあれば、それだけ受取人の意識を集中させることができます。
配布するだけでなく、そこからどうやって自分のサロンにまで誘導をするのか、よく考えてアピールをしましょう。
ネイルの画像にはトコトンこだわる
Instagramなどでも良くある失敗として、ネイルの画像(指のシワなど)で魅力的でない写真を使われることがあります。
ネイルサロンの命はネイルのデザインですが、そのネイルを施術することで『お客様がどう変わることができるのか?』イメージできるような画像を使うようにしましょう。
場合によってはプロのカメラマンの方による撮影や、画像処理などを施すことも視野に入れておくと良いです。
個人店のネイルサロンであれば、ご自身の顔写真などを載せてお客様との距離感を近くすることも大切ですし、店舗の内装や地図、そして簡単な料金体系も載せるようにしましょう。
お客様が来店するために不安になる要素を取り除くことも大切です。
ポスティングを最大限に活用するためにデータを記録する
ここまではポスティングのデザインを中心にお話をしましたが、それ以外のテクニックも必要です。
そのひとつがポスティングの記録をとり改善をするということ。
頭を使う地道な作業が多いですが、以下の項目をこなすかこなさないかでは、長期的にみて集客数に大きな違いが出てきます。
反響の出やすいポスティングを目指して、記録を取りつつ改善していきましょう。
地域性(商圏性)を把握する
店舗に集客できる人がいる範囲のことをマーケティング用語で商圏と言います。
お客様となりうる人々が住む場所の地域性を把握することは非常に大切です。
集客の基本は商品・サービスの押し売りではなく、欲しがっている人に興味を持ってもらい、お客様自ら足を運んでもらうことにあります。
そのためには、ポスティングで集客されたお客様の層が『どういう人たちなのか?』『予定していた層と同じか?異なるのか?』しっかりとチェックをする必要があります。
もし、想像していた人達と異なるのであれば、更に同じ層を呼び込むためにポスティングのデザインを修正しましょう。
商圏に住んでいる人々の価値観を理解することで、適切なアピールが可能になり、ポスティング効果上昇・売上アップにつながります。
フィールドワーク:商圏性を調べる
これはポスティングをする前にも行って欲しいのですが、実際に配布する地域を歩き回るということです。
その土地の雰囲気、たとえば「おしゃれで高級感がある」「物価が安く親しみやすい」などの感覚を、実際に感じとり言葉にして書き残しておきましょう。
いわゆる肌感覚になりますが、これをなんとなく理解しているのと言葉として説明できるのとでは、思考の精度が変わってきます。
駅や商業施設など人が集まる場所で、通行人の服装や読んでいる雑誌、人が多くなる時間帯などを把握することも重要です。
その土地の人々が何を好んでいるのかを理解することで、デザインにも反映することができます。
また、周囲の交通状況・商業施設の状況も調べます。
『人の流れがどのようになっているのか』、『周囲の同業他社の評判はどうなのか』をつかむことで、消費者を店舗に誘導したり他店との差をアピールしたりできるようになります。
ポスティングマップの作製
ポスティング業者に見積を依頼する際にお願いすると、土地内の人口・世帯数・年齢・男女比・年収など詳しいデータをもらえます。
配布エリアが地図上に入ったものがポスティングマップです。
最初のポスティングを行う前にルート選定などは済ませますが、実際に行って初めて分かることも多々ありますので、ポスティングを行うたびに更新していく必要があります。
ポスティングは、反響がリアルにわかる広告媒体です。
次回のポスティングにはこの反響から、配布エリアや配布する部数などを調整していきます。
適切に運用すれば、大きな効果を発揮できる可能性を秘めています。
まとめ・成功するポスティングのために
ここまでお読み頂きありがとうございました。
ネイルサロンにおけるポスティングの重要性を理解して頂けたかと思います。
効果的なポスティングが行われれば、1回の集客で30人以上の集客も可能となります。
大切なことは・・・
- ゴミ箱に捨てられないデザイン(文章)にする
- 店舗のある商圏を理解する
- 投函後の反応を記録し改善をする
より精度の高いポスティングをすることで、お客様に愛され続ける繁盛ネイルサロンができるわけです。